世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。








「ミラ、」


名前を呼ばれ、レイや金髪の少年から視線をギルに向けた。


「――ッン、」



すると突然ミラの唇に柔らかいものが重ねられた。


それがギルの唇だと認識するのに、そう時間はかからなかった。


「…ン、ふっ、ヤッ、っぁ、」


角度を変え、息を吸おうと開けた口に、ギルの舌が無遠慮に入ってきた。


「……んンッ、ぁ、ふッ、」



飲み込めなかった唾液がミラの顎をつたい、落ちていく。

唇を吸われ、口腔を犯され、
立っていられなくなり膝から崩れ落ちたとき、やっとギルの唇が離れ、ミラを支えた。


「……っはぁ、やだ、」



ミラは、目に生理的な涙をため、ギルをにらんだ。