世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。








ミラは歪みを抜けたばかりで、ふらふらしながら少年に連れられ、城の中へと入っていった。


《…なんか、くらくらする》


ミラは縺れる足を必死に動かし、魔王ギルの前まできた。


《……あ、あの時の、》


少年はミラをギルの前まで連れると、ギルにひざまづいた。


「レイ、ご苦労だった。」


「いえ。」


レイと呼ばれた少年は、ギルの前から退き、横にいた金色の髪の少年の傍に立った。



《…あっ、レイって言うんだ》


ミラは金髪の少年と、レイと呼ばれる少年を見た。