「......そんなに辛いなら、別れるっていう手段もあるけど......」





『別れる』




それは、私が今までずっと逃げてきたこと。




怜の事が好きだから...、別れたくない。




怜は私の事を嫌いでも、私は好きだから......




「好きだから別れられないよ......」




「葉月......」




こんなの自分勝手だって分かってる。




でも...、別れたくないんだ......。





「葉月さ...、もう少しワガママ言ってもいいんだよ?」





怜にワガママなんて...、言えるはずない。




だけど、真菜に心配はかけたくないよ......。




「うん、ありがとう......」




精一杯笑顔をつくって、真菜にそう言った。