「だってなんかかわいいでしょ?」 は、いつだって母の口癖だった。 しかも母の言う「かわいい」は 一般のそれとはちょっとずれていて、 彼女はよく奇妙なセンスの服を着て 珍妙な形の帽子をかぶって へんてこなバッグを持って 外出した先で 不気味な動物の置物を 購入して来たりしたものだ。