私は母の唯一人の子供、 忘れ形見である。 今年二十五になった。 名を、娘子という。 「むすこ」と読むのだ。 ムスコかムスメかどっちやねん、 という話である。 この名をつけたのは母だという。 小学生の頃、 自分の名前の由来をテーマにした 作文を書けという宿題があった。 その時母に尋ねた、 私の名前の由来はこうだった。 「だって・・・なんかかわいいでしょ? ムスメなのに、ムスコって」 最低二枚は書かなきゃいけない作文に、 私は大いにてこずった。