「何言ってんの? そんなわけないじゃん」 私は。 あの時母に返した言葉、 発したタイミング、 そして自然な笑い顔。 それらを全て合わせて 今でも自分を尊敬している。 自画自賛できるくらいの 一世一代の大嘘をついた あの日の自分を。 でも本当のところはわからない。 母は私の言葉に 安堵の表情を見せはしたけれど 「騙されてくれた」 だけなのかも知れないから。 「母親」という生き物は 自分の子供がつく嘘になんて 簡単に気づくものだと 私自身も知っていたから。