何も言わずに延々と 泣きじゃくる私を、 ふいに邦男がすっぽりと 抱きしめてくれた。 ただただ黙って泣いている 私の体を、 暖めるための 優しい毛布のように。 「・・・邦男・・・」 「ん?」 「・・・邦男は、 広くてあったかいね」 毛布にぎゅっと 抱きついたまま、 涙声で私は ほほえんだ。