「娘子ちゃんはお母さんの事、 そのどっちかだと思う?」 「どっちでもない。お母さんは、 ただのアホよ。のーたりんよ」 愛されている十六歳の娘っていうのは。 ああやって、傷ついた母親を 平気で罵れるものなんだわ。 あの時母は私の言葉に、 うふふと笑った。 ほめられたように、うれしそうに。