「結局まったく勉強してねーし。」 晴矢が笑う。 もうすっかり日が落ちてしまった。 季節は秋、もう肌寒い。 「あー、満月!」 「話そらすなよ千夏!」 怒る彼に微笑むわたし。 「しかたないじゃん。晴矢教えてくれないんだもん。」 そう言って頬をふくらませると彼の両手がわたしのその頬を包み込んだ。 驚いて目を見開くと彼は笑う。 「な、なに?」 「別に。ただふくらんでたから潰した。」 「な、なにそれっ…」 一瞬、ほんの一瞬だけどみえた 彼の寂しそうなその笑顔が 頭から離れなかった。