窓の外は、大雨。
その音で、すべてをかき消してほしかった。


「ん…はる…、やめ…」

このドアの向こう側から聞こえるそんな甘い声と机がずれる音。

毎日のように聞こえるその音は、私の胸を締め付ける。
苦しくて、苦しくて仕方がない。


晴矢、もうやめて。
毎日ちがう女の子を、抱かないで。


わたしのことを、見て?