しばらくして、貴羅くんが汗をぬぐうハゲおじさんを残して私に歩み寄ってきた。 「麻布 内海さん?」 にっこり、先生方より自然な笑顔で名前を呼ばれる。 「あ、はい。」 急いで立ち上がる。 「僕、生徒会長の貴羅と申します。よろしくお願いします。」 笑顔のまま会釈されて、慌てて返す。 「あ、よろしくお願いします!」 「じゃぁ、僕についてきてください。」