雲が下の方を流れていた。 「俺ね...」 話し出す永和。 「雨が好きなんだ」 「...?」 「雨ってなんだか、 悲しいこととか、辛いこと、黒い感情を 洗い流してくれそうな気がしない?」 「黒い感情...?」 「そう」 「あたしも洗い流して欲しい」 「きっと、雨が洗い流してくれる」 そう言ってあたしに 柔らかい笑顔をくれた。