あたしが愛した人

辺りは真っ暗で、車の走る音が響く。
路地から見える道路には、キャッチのお兄さんや酔っ払ったオジサンが歩いてる。




そういえば、店から出てどれぐらい経ったんだろう。
ポケットから携帯を……





あ。置いてきちゃった。





「よし。帰んぞ。」

そう言って顔を上げた。


「ちょっと…体大丈夫なの?何なら私の友達の親に頼んで送ってもらお?」


「いいちゃ。家近いし。」


そう言って歩き出した。
私も後ろからついてく。

(本当に大丈夫なのかな…。)


と、急に立ち止まった。

「ちょっと。どうしたの。」