あたしが愛した人

「はーい。それじゃあ新入生の皆さん!
 席に付いて下さーーい。」




気付くと、教室にはほとんどの生徒が席に着いていた。







廊下にいた数人の男子が入ってくると、

後ろを向いていた紗江が急に笑顔になった。
「あ!蒼くん!!」




「誰?そう君って。」




「あ、響知らないよね。
 こっちに南海中ってあるんだけど、 そこの渡邊 蒼君!
 3年の2学期ぐらいに福岡からこっちに来たらしいんだけどさ。
 ここら辺の中学じゃカッコ良くて評判だったの!」




・・・へぇ~。




「ここの高校って聞いてたけど
 まさか一緒のクラスなんて・・・
 良かった~♪最高♪」






そんなカッコイイ人が一緒のクラスなんだ。
なんかちょっとラッキー♪
っていうかどの人だろ?







「あ、もしかして響の隣かな。
 『渡邊』だから・・・
 そうだったら近い!
 ラッキー♪♪」





え。あたしの隣?!??!