「美月帰ろう」





「あ、辻君」



あれから辻君はいつも私の隣にいてくれて少しずつ仲良くなっていった。



もう...翔はいない。



「もう辻君って呼ぶのは卒業してよ。秋でいいから」



「うん・・・でも、私が名前で呼びたい人は一人だから」



それを言うと少し寂しそうに笑った辻君。



おかしいな、今頃になって翔がこんなにも好きなことに気がつくなんて。



もう、隣で笑ってくれる翔も、


私のミスをかばってくれる翔も、



いないのにね