みんなが出て行って教室には私だけになる。 「鍵、閉めよう。」 私も鞄を持って教室を出た。 「あれっ・・・。」 鍵穴に鍵を指して回しては見るけど。 一向に閉まらない。 堅いもん! なんでこんなに堅いんですか。 「やろうか?」 後ろから低めの甘い声。 その切れ長目の瞳は無表情にも切なげに揺れた。