放課後になり今日は雑誌の撮影もないからまっすぐ家に帰る。


こんな学校に長くはいたくない。



地味だったし、存在も無視されていているのかいないのかもわかってもらえなかったけど。



でも、こんなに冷たくはされていない。




机の中の教科書を通学カバンに詰めていく。



「ねー、今月のMIDUKIも超可愛かったよねー!」


「本当、明るくて優しそうでまさに女の子の中の女の子って感じ!」


「そうそう、園田さんとは大違いよねー」



女子の皆さんがGIRLESTの雑誌を片手にMIDUKIについての褒め言葉を並べている。



私とMIDUKIを対照にして。



「まあ、園田って誰だっけ?そんなやつこのクラスにいた?」


「えっ、俺も知らなーい。」




もう、いいよ・・・



そんな傷つく環境の中で唯一MIDUKIである私を褒められたことが何よりもうれしかった。