コンコンコン ちょうど撮影の30分前に部屋のドアが鳴った。 「どうぞ。」 小さく返事をする。 誰だろう、こんな時に。 スタッフさんだったらとりあえず謝罪しないと。 「メイク、するぞ。」 「・・・翔。」 でも、そこにいたのは少し息を切らした翔だった。 「早くしろよ。茜さんに話しつけてきたから。」 「・・・うん!」 撮影できるんだ。 ちゃんと、傷の分を挽回できるように頑張らないと。