彩が遠くで心配そうな顔をしている。
「・・・翔、ごめんね。試合抜け出させて。」
私は少しだけ汗の香りと制汗剤の香りがするタオルを乗せたまましゃべった。
「ま、ばれたらまずいだろ。」
「・・・ごめん。」
翔はそのまま私を保健室まで運んでいくんだろうな。
でも、ひとつ。
「彩にばれちゃった・・・。」
「ああ、完全に名前言ってたしな。」
あんな間近で見られたらそりゃあ、ばれちゃうよね。
彩はいい子だから言わないとは思うんだけどな。
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