「よーい、スタート!」
その声と同時にパンとクラッカーがはじけて球技大会が始まった。
私たちのクラスは1回戦は試合にあたっていない。
だから、どっかのクラスを観戦ってわけ。
「それにしても、暑いねー。まだ夏まで期間あるのに。」
「あ、うん、そうだねー。」
私は、なぜかあのチーム決めをしてからというもの仲良くなった女の子
中峰彩(なかみね あや)と一緒に翔のクラスを観戦していた。
「ね、美月って呼んでいいでしょ?」
本当に、彩って子はクラスで浮きぎみの私にも優しく接してくれる。
「うんっ、じゃあ彩って呼んでもいいかな。」
「もちろんでしょ!」
私はあんまり気づいていなかった。
小さな友情の芽が芽生えていることに。