「美月には才能がある。それを君という存在で壊してほしくないんだ」



「...。」



美月に好きだと告げたとき俺は美月を一人の女として見ていた。



モデルのことを加味して付き合っていこうなんて、気を使っていこうなんて...


そんな決心なかったんだ。



「じゃあ、俺も行くから」



またね、と手を振って走っていった。



あいつのほうが美月には合うのかもしれない。


似た生活で芸能界で、俺と美月の間にある壁なんてなくて。



ただの高校生の俺なんかよりよっぽど美月を大切にしてやれるのかもな。