唇の匂いがすぐそばでする。



「んっ...」



「美月...」




翔のザラザラした舌が私の舌を探すように動き回る。



なんか、よくわかんないけどふわふわした変な気持ち。



「お前、顔真っ赤」



「ちょ、ひど。笑わないでよ」



唇が離れた瞬間に笑い出した翔に活を入れる。


「だってさ...あ、いやなんでもない」


「ん?」


あれ、いま私何って言おうとしてたんだろう。


「なんだよ、途中でやめられると気になるんだけど。言ってよ」



「...やだ」



「言え」



「いやです」



私としたことが、なんていう失態を。