「わぁーっ、綺麗っ!」
テラスに移動した私たちの目の前に広がる海。
沈みかけた夕日がオレンジ色に照らしている海にまだ戻ってきていない人たちの色とりどりの水着が点々と見える。
「ん...寒」
夏とはいえ今日は気候がだいぶ涼しい。
夕方にもなれば風も冷たくなって寒い。
私寒いの苦手なんだよね。
「ったく、そんな薄着で来るからだよ。これ着とけ」
「えっ...翔」
ぱさっと肩にかけられた合皮のジャケット。
なんか、翔のいい匂いする。
って、私変態か...
「何、にやついてんの。気持ち悪い」
「ひど...」
ねえ、翔。
こんな日がずっと続くと思っていいですか?