もう、どうせいつ言っても、言わなくても状況は変わらない。
だったらせめて今をチャンスだと思って伝えたいことがある。
「翔のこと、ずっと好きだった。最初に私を軽蔑せずに声をかけてくれて...メイクもしてくれて。私が犯したミスも庇ってくれた。」
「美月ちゃん...」
「ずっと、ありがとうって言いたかったけど思ってる半分も伝わらなくて、離れていっちゃって...私はずっと好きだったっ!!」
それだけ言い切ると翔の顔も見ずに走り出した。
「おいっ!美月...!」
そう呼ばれた声だけが胸の中で反響する。
たぶん、翔が私の名前を呼んでくれるのも最後なんだろう。
だったらずっと留めておきたい。
私が名前で呼びたいのは“翔”だけなの...



