未熟色の君たち



「ごめん、旬」

そういって玄関に遅れてくる時には、決まって一緒に清水がいた。

電話で話しているときに入るキャッチホンも、大抵清水からのものだった。

一緒のデートの時だって、会話には必ず清水の名前が出てきた。


芳成。

よしなり。



そう由香里が清水の事を呼び捨てにするたびに、俺の心は少しずつ削れて行くみたいに弱っていった。

あんなこと言わなきゃよかった。
男友達なんて、全部切り捨てさせればよかった。

傲慢だって言われたって恨まれたってそうしていれば、今頃由香里は俺だけを見ていてくれたかもしれないのに。

今更そんな風に思ったって、遅いのは解っている。

それでも由香里が好きで離れられなくて、なんだかいじらしいくらいに俺は由香里の事をいつだって待ち続けていた。

まるで飼い主を待つ、鎖に繋がれた犬みたいに。