へっぽこ王子とへっぽこ姫


ねぼけまなこの王子の口には、

ヨダレの跡がついていました。

「むにゃ・・・なんだい姫?」

「王子様。あなたは私を本当に愛しているの?

そうだとしたら、私のどこを、

どんな理由で愛しているの?」

むにゃりむにゃり。

王子はまだ半分寝ているような声で、

ぽそりぽそりと答えました。