キス以上をちょーだい




「キスだけじゃもの足りないんだけど…。

ねぇ…、
キス以上もちょーだい。」





「なっ…!」




「ね、良いじゃん。
未来の旦那さんなんだからさっ…。」




ニコッって笑う柚樹に、引きつった笑いを見せて逃げる体制をとる。




が…。




あの、エロ魔神が簡単に逃がしてくれる筈がない。




「やっ、ちょっと待て…!今日はっ………!」




どんどん柚樹の顔が近づいてくる。


もう駄目だっ…!


そう思われた、その時……?



「二人とも―!!
ご飯できたわよぉ―!降りていなさ―いっ!」



きゅ、救世主だっ!





リビングの方からお母さんの声がして、慌てて柚樹から離れる。



「よ、良かった…。」



「ちぇっ…。もうちょっとだったのに…。」