「久しぶりですね、渡辺先生。もう担当に?」
突如、存在が薄れていた志貴に向かって、年配刑事の方が話しかけた。
―――知り合い?
ふと当然な疑問を感じながら志貴を見つめると
「いえ。個人的に来ただけです」
特に感情を込めるでもなく、淡々と返答をした。
先生って呼ばれてる志貴がなんだか不思議で、その横顔をぼんやりと見つめる。
頭が空っぽなままの私。
静寂が一瞬通った後、
「この度は、お悔やみ申し上げます。ご家族の方には申し訳ないんですけど、ちょっと話を聞かせて頂けますか?」
儀礼的なお悔やみの言葉と、そしてNOとは言わせない雰囲気で話を聞かせろと言われ、空っぽの頭がなんとなく起動した。
それでも話ができるかどうかは不安定で。
どうしたらよいのかと考えることも儘ならない。
そんな私たち母子を見た志貴は
「場所、変えましょう。……理香」
刑事さんに呼び掛けた後、私の名前を口にして視線を送ってくる。
その視線をぼんやり受けとると
「行くぞ」
と手を差し出された。
いつもなら決して取らないその手を、私はすがり付くように握りしめ、おばあちゃんの眠る部屋を後にした。
突如、存在が薄れていた志貴に向かって、年配刑事の方が話しかけた。
―――知り合い?
ふと当然な疑問を感じながら志貴を見つめると
「いえ。個人的に来ただけです」
特に感情を込めるでもなく、淡々と返答をした。
先生って呼ばれてる志貴がなんだか不思議で、その横顔をぼんやりと見つめる。
頭が空っぽなままの私。
静寂が一瞬通った後、
「この度は、お悔やみ申し上げます。ご家族の方には申し訳ないんですけど、ちょっと話を聞かせて頂けますか?」
儀礼的なお悔やみの言葉と、そしてNOとは言わせない雰囲気で話を聞かせろと言われ、空っぽの頭がなんとなく起動した。
それでも話ができるかどうかは不安定で。
どうしたらよいのかと考えることも儘ならない。
そんな私たち母子を見た志貴は
「場所、変えましょう。……理香」
刑事さんに呼び掛けた後、私の名前を口にして視線を送ってくる。
その視線をぼんやり受けとると
「行くぞ」
と手を差し出された。
いつもなら決して取らないその手を、私はすがり付くように握りしめ、おばあちゃんの眠る部屋を後にした。

