俺様と闘う私『一部・完』

 そう思う私に


 「顔、綺麗だから。見て、あげたら?」



 しゃくりあげそうになる声を何とか押さえてると言った調子の母が、私の右側で囁くように言った。



 「うん……」



 妙に冷え切った頭が状況を理解しないまま、私の身体は勝手に反応して右手が伸びた。



 「ば、ぁ、ちゃ……ん」


 
 いつも母が



 『死んだように寝てるわ』



 なんて言ってた。



 私はいつもその母の言葉を聞いて、ぐっすり眠ってるなら良かったってただ思ってた。



 でも……




 今見ているこのおばあちゃんは、まさしくいつものソレで。




 死んだように寝ているんじゃなくて。



 ―――本当に死んでる



 って理解できないくらい、普通の表情で横たわっていた。



 だけど―――



 そっと頬に触れた右手が、いつもの温かみを伝えずに冷たさを感じさせる。



 それでようやく『死』の状態であると理解出来た。




 「おばあちゃんっっ!!」




 大声で叫んだと同時に、涙がボロボロと溢れ出た。