俺様と闘う私『一部・完』

 笑顔を見せるのはちょっと無理だけど、とりあえず睨みは引っ込める努力をした。


 そして。


 忘れつつあるけど、この腕。


 「そろそろ離してもらえませんか?」



 そぉっと顔を上げて志貴に訴えてみた。


 どう考えてもこの状況、意味不明。



 自分から触れるなんてちょっと恐いけど、そっと志貴の右腕を両手で掴んで離そうと試みた。



 分かってもらえるだろうか。


 私は、対男性初心者。


 触れられるのもビックリドキドキだけど、自分から触るなんてほんとに心臓がバックバクなのだ。


 ぐっと唇を結んで、ギュッと力を込めて腕を引き剥がそうとする。



 けど……



 「ダメだ。大雅が居る限り許さん」

 「はぁ?」



 ドキドキも吹っ飛んで、私は不満声を上げた。



 いやいやいや、志貴さんおかしいですよ言ってることが!!



 「志貴、意味分かんない。お願いだから離して」

 「断る」

 「ちょ……っ!!」



 私の抵抗により少しばかり緩まったはずの腕は、元どおりに締め直された。