俺様と闘う私『一部・完』

 幸い上を向くことが出来た私は、志貴に向かってそう叫んでやった。

 すると志貴はあろうことか、



 「お前の修行が足りないせいだろうが」



 フンっとでもいいそうな表情で、そう言ってのけた。


 ……いやいやいや!!



 首絞められても大丈夫な修行って、私してたら恐いし。


 というかね、



 「私は、ただの配達員なんだってば!」

 「吠えるな」

 「ちょっ……!?」



 ポスン。



 志貴は両腕を私の前に回すと、背後から抱きしめるようにして私を引き寄せた。


 「ちょっ! な、ぁっ!?」



 って、どうして私を後ろから抱き寄せるの!?




 や、待て待て。


 違う。




 ―――私、男の人に抱きしめられちゃってる……!?



 ようやく意識がそこに行って、私は思い切り赤面した。


 そしてあまりの恥ずかしさに声が出なくなった。