俺様と闘う私『一部・完』

 かなりきつくそう言われた大雅さんだけど、全く懲りた様子もなく笑いながら


 「へいへーい。邪魔者は退散でーす。じゃねん、理香チャン」



 ヘラヘラっと私の方へ手を振りながら去って行った。


 その大雅さんに私は



 「あっ、はい」



 と返事をしたのだけれど……



 「返事するな」



 なぜかさらにキレ気味になっている志貴に、肩をグイッと抱き寄せられてそう言われた。



 ―――ちょちょっ!


 む、胸が近い!!



 抱き寄せられて、まるで志貴の腕に閉じ込められる形になってしまい、私の心臓は突然早鐘を打ち始めた。


 けれどそんな私を尻目に、更に笑いながら去っていく大雅さん。


 そしてさらに怒りのボルテージを上げる志貴。


 完全に被害者の私。



 1分くらいその状況で固まっていたけれど、しばらくしてようやく志貴が腕を緩めてくれた。


 ……恥ずかしすぎて噴火しそうだった。


 私は赤くなりすぎた顔がばれたくなくて、必死に手のひらで顔を仰ぎながら、志貴に尋ねた。



 「えと、あの人は?」

 「あぁ?」



 どうやら地雷だったみたい。



 いつもならすぐにキレる私だけれども、今は顔も赤いし。
 ホテルで人もたくさんいて分が悪い。



 仕方なく、目を逸らして私は黙ることにした。




 はぁ……私って、どうしてここにいるんだろう?