俺様と闘う私『一部・完』

 大きな広間のある会場付近へ行くと、志貴が受付の方へと向かったので私もいそいそとついて行く。



 「はい、ワタナベ様ですね」

 「はい」

 「お連れ様はお一人様だけでしょうか?」

 「そうです」

 「かしこまりました。ではあちらでお荷物等お預けになって、会場へどうぞ」



 温かな笑みを浮かべた受付係の男性にそう指示を受け、私達は進んだ。


 そして、本当に私は焦ることになった。



 「あ、あのさ、志貴?」

 「なんだ?」

 「ここ。どこ?」

 「あぁ? ホテルに決まってんだろ」



 馬鹿かお前はという冷ややかな顔で私を見下ろす。




 ……って、そんなこと知っとるわぁぁああ!!!



 「ホテルの中ってことくらい私にも分かるってば!」

 「静かにな」

 「……だ、だからね。何しに来たの?」

 「―――あぁ……言ってなかったか?」

 「……!!」



 こ、こいつ信じらんない。


 私がこんなにずっとパニック起こしてるのに、言ってなかったか? ってそりゃないでしょうよ!?


 どれだけ私が意味不明状態で頑張ってると思ってんのよ!!