俺様と闘う私『一部・完』

 ―――だから、なんだけどさ。


 行き先を聞きそびれていた私は、どこまでもちょっと抜けてるかもしれない。



 車が停車して



 「降りろ」



 と言われた先は、とっても有名なホテル。



 こんなところに来たことない私は、またしてもアワアワしながら志貴を見る。


 だけど私のことはチラリと一瞥しただけで



 「粗相のないようにな」



 なんて嫌味をぶつけてくれた。



 「そっっ!? ……むがっ!」



 粗相のないようにと言われて、イラッときた私は、いつもどおりに言い返し掛けた口を……やんわり塞がれた。



 「理香、うるさい」

 「ハイ」



 今日の私は全く言い返すことが出来ず、とにかくなぜここに連れてこられたかも不明なまま、置いて行かれるわけにもいかず。


 慣れないヒールに格闘しながらついて行った。


 もちろんこのヒールも用意されていて、私は、下着から宝石まですべて着飾られてしまった。


 そして……ここへは何しにきたんだろう?


 ようやく感じ始めた不安を隠せないままに、必死に歩いたのだった。