俺様と闘う私『一部・完』

 突如笑い始める志貴に、恥ずかしさを感じながら声を荒げた。

 「なっ、な、によっ」

 「いや、ククッ、お前、おもしろすぎ、クククッ」

 「んなっ!? わ、笑うなっ」

 「ブハ……ッ」



 ニヤニヤ……とかじゃなくて志貴が本気で笑ってる。


 どうやら私の行動はツボだったらしい。


 あんまり笑うからちょっとイラっとしたけど……



 もう、なんかどうでも良くなってきて私は黙った。


 ―――ふんっ、次は上手に乗ってやるんだから!!



 私の程度は結構低い。


 しばらくすると志貴は落ち着いたみたいで、何事もなかったように


 「行くぞ」


 と言って車を走らせ始めた。



 意外とって言ったら怒られるだろうけど、志貴の運転は丁寧で心地よい。


 赤信号などの停車の時もスーッと止まるからやけに静かで、座っていて不安がない。



 不安がない……



 と言っても、ドキドキとは別なわけで。


 私の右隣でサイドレバーを動かすのに手が伸びてきただけで、ビクッと震えたり。


 チラリと横を見た時の、真剣な表情がなんだか格好良く見えて仕方なくて。



 私は信じられないくらいに志貴を意識しすぎて、呼吸困難になりそうだった。


 一人私はアワアワしてるのに、当の志貴はしれっとしていてなんだか癪に障る。


 けれど……それよりも私のドキドキは、遥かに勝っていた。