俺様と闘う私『一部・完』

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 こうして、私の渡辺さん宅への配達訪問は始まった。


 今までお付き合いのある人だけに気楽ではあるものの、豪邸訪問への抵抗はなかなか抜けない。


 けれど、コンシェルジュさんも毎日何か頼んでくれるし、たまにすれ違う人が買って下さったりもする。


 中には『こんな人入ってくるの?』って表情を浮かべる人もいたけれど、めったにないことなのでさほど苦にはならなかった。



 渡辺さんは……というと、やはり私をここまで来させてると言うことに申し訳なさを感じているのか、今まで購入しなかった商品なども買ってくれるようになり、こちらの方が辟易してしまう。


 ラーメンにまで手を出された時は、ほんとに大丈夫ですか? なんて私の方が止めたくらい。





 と、こんな感じで楽しく、そして大した損益を出すこともなく気楽に配達を謳歌していたのだ。



 奴に出くわすこのときまでは……