それからは学校に授業を受けに行く感じであまり人とは話さなくなった。




自分がすごい汚れた気がして。




宮部も笠井も岩瀬もみんなキラキラしてて一途で俺には眩しかった。


一人だけ、俺一人だけが汚く思えて仕方なかった。




「高瀬、元気ないね?」




「悪い。ほっといて」




休み時間はずっと机に伏せてる。
誰の顔も見たくない。声も聞きたくない。




あんなに大嫌いだった女に手を出した。




しかもあんな形で。




毎日、毎日あの日の夢を見る。
吐き気がして目覚める。その繰り返し。




でも俺は茉央から離れられなかった。




バイト先でした行為を口外されたくなければ離れるなと言われたから。




仕掛けに乗ったのは俺。
茉央はなんとでも言える。



・・・女だから。
俺に無理矢理とでも。





もしそんな嘘でも噂になればまた姉ちゃんを傷つけてしまう。




離婚して帰ってきたときの周囲の目や噂にたくさん傷つけられてそれでも立派に瑞穂を育ててきた姉ちゃんをもう傷つけたくない。




だから俺は姉ちゃんを守りたい。
もう誰も傷つけたくないんだ。