「高瀬くん?どうしたの?傘壊れた?雨にかなり打たれたんでしょ?」




「・・・大丈夫です」





「とりあえず頭だけでも拭いて。タオルどこだったかしらね?あ、あったわ。はい」





「ありがとうございます」





びしょ濡れになった姿でバックヤードに行くとパートのおばさんが心配して
ロッカーからタオルを探して渡してくれた。




さっきの光景が頭の中から離れない。




降りしきる大粒の雨の中
重なる俺と彼女の影。





「嘘?だって水曜日にはいなかったよね?」




「・・・うん。昨日・・・できた」





「・・・なんで?なんで?そのときからその人のこと好きだったの?だったらなんで私を抱きしめるのよ」