雨は勢いを増して小さな折り畳み傘の
佑衣ちゃんの肩は濡れてる。





風邪引くよな。あんなんじゃ。
でも一緒の傘に入っても結局は期待させるだけだ。


そんなことしてもっと傷つけて
どうするんだって思う。




でもほっとけないんだ。




「あのさ、ちょっと狭いけど入る?その傘じゃ佑衣ちゃん濡れてるから」




「い、いいの?」




「うん。どうぞ」




「・・・・お邪魔します」




俺の大きめの傘に佑衣ちゃんが入る。
女の子ってすごく小さいな。
全然狭くない。




でも体が触れ合ってまた離れて
そんな距離。




ドキドキしてる。
触れることが嫌じゃない。





「ほんとはね。ちょっと迷惑かなって思ってたんだ。待ち伏せしてたの。でも会いたくて」




俺も会いたかったよ。
その声が聞きたかった。




「そっか。ありがとう」




「明日になれば2人の時間なのに待ちきれなくて。私って貪欲だよね。欲張りだな」




「そんなことないよ」





嬉しかった。
まさか待っててくれてるなんて
思いもしてなかったから。