「でも、卒業したらあっという間に終るよ。彼なんてモテそうだから可愛い子いっぱいいるだろし」




「いい加減に・・・」




「それって妬みですね。あなた高瀬のことが好きなんでしょ?でも相手してもらえないから僻んでるんだ」




こいつの顔が一瞬引きつったのがわかった。




こいつにこんな顔させるなんてよっぽど宮部のことが大事なんだな、笠井。





「アハッ。バレちゃった。ごめんね。その通り。櫂が全然振り向いてくれないから妬んじゃって。あんまりにも2人が仲良いから。ごめんね。あたし帰りまーす」




空気をぶち壊してあいつは帰った。
静まり返った沈黙に俺は耐えきれなくなった。


「なんか悪かったな。俺、もう帰るからお前ら2人で食ってって」


「そんな、高瀬へのお礼だよ?」


「礼してもらうようなことしてないし。気にすんな。じゃあゆっくりしてけよ」




2人の静止を無視して俺はファミレスを後にした。