「さっきの話しを聞いて、

増々、お前の事が放っておけなくなった」



「・・・」



「その彼を思い続けてもいい。

だが・・・

オレがお前の傍にいる事は、

止めないから」



「なっ」



「お前の心を温めてやりたい。

オレのすべてをかけて…

心の氷を溶かしてやる・・・

だから・・・」


ゆっくりと自分の方に、

私を振り返らせた翔は、

切ない目をしていた。

・・・

でも、哀れんでいるような目ではない。

・・・

その目は、

愛おしいものを見つめる目。

「私は彼を・・・ん・・・」

・・・

翔は私の唇を、

自分の唇で塞ぐ。