「綾野」

「なんですか?」


「これから食事に出る、車を回せ」

「かしこまりました」


「エ、あの、お話しは・・?」

オロオロする私の腕を掴んだ翔。

・・・

「食事をしながらでも、

話しは出来る」


「ですが」


「うるさい、黙ってついて来い」

・・・

なんて強引な人。

私は口を真一文字に閉じ、

翔を睨んだ。

・・・でも、

翔は、知らん顔で、

私を車へと連行する。

・・・

エレベーターから降りたった私たち。

翔は、社長でイケメンで、

一気に注目の的になる。

しかも今は、

嫌がる私の手を引いて歩いているもんだから、

尚更注目が集まる。