「…マイク、ごめんなさい。

翔は、やっと見つけた人なの。

私のすべてを受け止めてくれた唯一の人。

翔だけは手放せない。

私からこの人を奪ったら、

私が私じゃなくなる。だから・・・

私から翔を奪わないで」


・・・

真剣にそう告げた私の瞳からは、

涙がこぼれ落ちていた。

・・・

人前で泣かないはずの私が、

翔の事になると、

なりふり構っていられなくなる。

それくらい、大事な人。

・・・

バサッ。

書類を荒々しく、

私に突きつけたマイク。

「もういい・・・もういいよ。

嫌になるな‥

そんなに見せつけられちゃ、

僕の立場がなくなる・・・

一人前になったら、

もう一度、奪いに行くからな、神宮寺社長」