「先輩は、死んだのよ?

もう忘れなさい・・・

どんなに想っても、彼はもう二度と、

冬美の前には現れない」

・・・

「そんなことわかってる」

・・・

彼はもうこの世にいない。

彼が死んだのは、私のせい。

私が真夜中に、彼を呼びさえしなければ、

死なずに済んだのかもしれない。

・・・

「冬美は何も悪くないんだからね?

だから誰も、貴女を責めたりしなかったでしょ?

だから、もう彼の事は忘れて、

新しい恋をしなさい・・・

友人として、意地を張ってる冬美を見てるのは、

辛いわ・・・

心から笑ってないでしょ?

前みたいに、笑顔の絶えない冬美に戻ってよ」



「…もう、何言ってるのよ。

私はいつも笑ってるし、

意地も張ってないわよ?

ほら、仕事に戻って」

精一杯の笑顔の私に、

溜息をついた美香は、

仕事に戻っていった。