「美香先輩」


「なあに?」


後輩に呼ばれ、

笑顔で振り返った私。


「社長が、美香先輩に用事

なんて何事ですか?」


「・・フフ、さぁ?

一体何の用事だったのでしょうか?」

私は笑ってごまかした。

・・・

「美香先輩は綺麗だから、

デートのお誘いですか?」


「まさかぁ、そんなことあるわけないじゃない」

後輩の肩を叩きながら、

自分のデスクに帰った。

・・・そして、

冬美のことを思った。

…冬美、

すべてを決めるのは、

貴女に任せたからね?

そう心の中で呟き、

仕事を始めた。