「あ、ありがとうございます。

社長が、貴女が拾ってくれていた

と聞いていました。

…あれ、わざわざ洗濯まで

してくださったんですか?」


「少し汚れていたので・・・

差し出がましい事をしてごめんなさい」


「そんな、嬉しいですよ・・・

では、また・・・

会社に帰らないといけないので」


「・・・は、い」


微笑んだ秀明は、

玄関の方に向かって歩き出す。


・・・

「待って」

「・・・え?」

・・・

この人は先輩じゃない。

ただそっくりなだけで、赤の他人・・・

なぜ呼び止めたのかしら。

「あ、いえ・・・

何でもないんです、ごめんなさい。

それじゃあ」

私は秀明に背を向け、

歩き出した。・・・?!