優しいひと

それでも私は拓也と居たかった



放課後


「今日ミーティングだけだから帰り買い物付き合えよ」


その一言で英語の勉強をしなが健太を待っていると私、一人の教室に誰かが入ってきた



「樋口さん?」



名前を呼ばれ思わず振り返ると同じクラスの内田君が少し驚いたように立っていた




「ゴメン、勉強中だった?」



「…ああ、英語赤点取っちゃって」



内田君は忘れ物をしたのか自分のロッカーから何かを探している



「彼氏に教えてもらえばいいのに」



何気ないその一言が胸に刺さる



「…」



何も言えない



内田君の一言が冗談なのか拓也が彼氏かどうなのか、こっちが聞きたいくらいだ



内田君が思ってる私の彼氏は毎回、違う女の子と仲良くやってる



私なんてお昼ごはん以下のただのパシリだ



何も答えない私を変に思ったのか内田君は探し物をしている手を止め振り返った




「樋口さん…?」



頭だけが重く俯く私に内田君の足音が近くなる