優しいひと

「優どうだった??」


「サイアクー!」



4時間目の英語の授業で返された
小テストは見事に赤点



朝から嫌なもの見るし…
テストは赤点だし…

月曜日からついてない



机に突っ伏しテストの赤点を
見つめていると誰かが
私の赤点を取り上げた



「お前どうやったら
こんな点数取れるんだよ」



後ろを振り返り見上げると
馬鹿にしたように健太が立っている



「うっうるさいな…」

「もう健太は優いじめないの」

じゃれ合ういつもの光景に直美は笑う


恥ずかし過ぎるテストを
健太から取り返すと
スカートのポケットに入れていた
携帯が鳴った


その着信音に
楽しくふざけていた空気が一瞬止まる



携帯を開くと


『いつもの』


と無機質な4文字が並んでいる


「私、購買行ってくるね」


慌てて席を立ち上がり
教室を出る私の背中に
直美がため息をついた


「健太も大変ね…」


直美の一言にふざけていた健太は
教室を出ていく私の背中を見つめながら
笑顔が次第に消えていく