優しいひと

「本当ムカつく!!」



教室に入り直美が無造作に鞄を机に置く



こんな私でも最初の頃は
いつも泣いていた



自分のどこが悪いんだろうと考えた




それが今では…


泣けなくなっていた

考えなくなっていた


そんな私の変わりに
こうやっていつも直美が怒ってくれる



「優…あんな奴もう別れた方がいいよ」



心配そうに直美が私を見る



「うーん…」



そしていつものごとく私は曖昧な返事



こんな普通の私を見付けてくれた
拓也にまだ心の何処かで
期待していたのかもしれない