色々と小さな悩み事はあった。

それでも菜緒の日々は充実してたし其れなりに楽しんでいた。

気付けば自然と沙希といたし、俊とは先生に怒られつつも授業中話まくっていた。

『菜緒―!次、自習だって。』

沙希が嬉しそうに言う。

「自習かぁ・・・」

『サボろ?』

「うん・・・って、え゛?!」

いきなりの沙希の言葉に吃驚・・・

「今、何て・・・?」

時たま超鈍くなる菜緒を呆れた顔で見つめて来た。

『サボる?あ゛―じれったいっ!行くの?行かないの?』

苛々した声で沙希が聞く。

そりゃサボりたくないって言ったら嘘になる。

嘘になるんだけど・・・

サボりなんて今まで一度もしたことがない。

でも、

『もおっ!先行くからねっ!』

そう言う沙希もほっとけない。

「沙希ちょっと待っ・・・『神崎さん。ちょっと良いかしら?』

いきなり三人組に話しかけられた。

「え?あ、でも沙希・・・」

戸惑いつつも菜緒はこの3人組をじっくり観察していた。

何所から如何見てもヤバそうな雰囲気の人達。

でもこの3人、超がつくほどの美人・・・

何で菜緒に用があるんだろ?

惚けるか。

「え・・・?菜緒・・・?」

バカにしか聞こえない・・・な。

情けない。

『このクラスには一人しか神崎居ないんですけどー』

右端の子が言う。

『神崎さんって見た目からして天然だしねー』

今度は左端の子が言う。

天然・・・か。

『こらこらぁ。美紀も咲も失礼でしょう。』

今度は真ん中の子。

どうやらリーダー的存在っぽい。

ってか、何かこの三人にすっごく振り回されそう・・・な気がする。

おまけに同い年かさえも分からないので一応敬語。

「えっと・・・どうしたのですか?」

『あらあら、タメ語で良いわよ。私、山中志穂です。それと、近藤美紀と荒岡咲。私だけ何かタメ語駄目なの。だからって遠慮しないで・・・ね?』

ん゛―

どうやら悪い人達じゃなさそう・・・?

「沙希、ちょっと先行ってて。後で追いつくから!」

菜緒は遠ざかる沙希の背中に向かって叫んだ。

そしてそのまま3人に付いていった・・・